アメリカで子宮頚部円錐切除手術(LEEP)を受けました
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2019年5月に子宮頚部円錐切除手術(LEEP)を受けました。

非常に簡単な手術とは聞いていましたが、なんといってもアメリカで初めて受ける手術。やっぱり不安もありました。

自分の備忘録のためと、これからアメリカで同じ手術を受ける人の参考になればと思い記事にまとめました。

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子宮頚部円錐切除手術(LEEP)とは?

子宮頚部異形成(子宮頸がんの前段階:precancer)が認められる場合に、病変部を除去して診断を確定するために行われる手術です。

leep

イラストのように、子宮頸部をレーザーメスもしくは超音波メスで円錐形に切除する手術で、手術時間は15~30分程度。全身麻酔なので、チェックインしてから施設を出るまで約2時間半くらいでした。

日本の場合は、病院によって日帰りの場合と2泊3日程度の入院の場合はあるようですが、アメリカの場合は日帰りが基本のようです。アメリカは医療費が高いですからね、よほどのことがない限り入院なんてしたくないです。なんなら這ってでも帰りたい(笑)

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どんな場合に子宮頚部円錐切除手術(LEEP)を受けるの?

子宮頚部異形成があったら即手術というわけではありません。子宮頚部異形成には、軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成・上皮内がん(CIN3)の3段階があります。

 補足
CINは、子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia)の略です。 

 

軽度異形成(CIN1)や中等度異形成(CIN2)であれば経過観察になります。というのも、免疫力によって自然治癒することも多いからです。しかし、高度異形成・上皮内がん(CIN3)や、CIN2が長期間継続する場合は手術を行うことになります。

子宮頸部異形成と子宮頚がんの原因は、ハイリスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)であることが知られていますが、性交渉のある人の多くが一度は感染していると言われます。ほとんどの場合は自然消滅するのですが、免疫力の低下などにより長期にわたって感染が続いた場合に、10年程度の期間を経て子宮頸がんに進行していくと考えられます。

私が最初にハイリスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していることがわかったのは2009年。検査結果を知らされたときはやはりショックでしたね。子宮頸がんになる可能性があるわけですから。

できればウイルスが自然に消滅してほしいと思っていましたが、2015年に受けた子宮頸がん検診で子宮頸部異形成と診断されました。このときはCIN1-2の段階で経過観察でしたが、あ~ついに来たか~と思いました。

その後も定期的に検査を受けていましたが、しばらく中等度異形成(CIN2)が続き、なかなか自然治癒には至らず…。4月にこちらで受けた検査では4つのサンプルのうち2つがCIN2、残りの2つがCIN2-3という診断でした。

もうかれこれ4年くらい異形成の状態が続いているので、ドクターからは今後自然治癒する可能性は低く、むしろ子宮頸がんに進行する可能性のほうが高いから手術をしたほうがいいと言われました。

日帰りの簡単な手術とはいえ、体にメスを入れることにはやはり抵抗があったのと、今までのドクター(日本とハワイ、いずれも日本人)には一度も手術を勧められなかったので、もしかしてお金儲けのため???とか勘ぐったりもして、少し悩んでいたんですよね。

それをツイッターで呟いてみたら、この手術を受けたことがある女性二人から「受けてよかったです」というポジティブなコメントをいただき、決断の大きな後押しになりました。経験者の言葉ってやっぱり説得力ありますよね。

最終的に手術を決めたときの診察には、念のため夫にも付き添ってもらいました。簡単とはいえ一応手術ですからね、英語で間違った理解や聞き漏らしがないように注意しておきたかったのです。

ということで、2009年にハイリスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していることがわかってからちょうど10年後に手術となりました。

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手術前日~当日の流れ

私がお世話になったドクターは個人の小さなクリニックのため手術の設備はありませんでした。日本ならこのような場合、手術のできる大きな病院を紹介してくれることになるのでしょうか。

今回は、近隣のSurgical Center(手術センター)という施設を予約して、そこにドクターが出向いて手術を行いました。2か所のSurgical Centerを利用できるということだったので、家に近い場所にしてもらいました。

前日から当日の時間の流れ

前日 電話でチェックイン時間や注意事項の連絡が入る

帰宅後 オンラインで事前登録(問診表のようなもの)

夜12時~当日お昼12時まで 飲食禁止(水のみOK)

13:15 チェックイン

14:30 手術

16:00 チェックアウト

16:30 Super Duper Burgerでベジバーガー

チェックインから手術まで

当日は仕事を休み、夫の運転でセンターへ。13:15にセンターに着くと同意書などの書類を渡され、ひたすら読んでサイン。

documents

お支払いを終えてロビーで待っていると、看護師Aに名前を呼ばれて中に入ります。

看護師Aは、問診票の内容の確認や体重測定、血圧測定などを行い、ベッドへ案内してくれました。部屋の両サイドにカーテンで仕切られたベッドがずらーっと並んでいて、入院のときの大部屋みたいな感じ。

ベッドに着くと、まずは採尿。その後、手術着と指定の靴下に着替えてビニールのキャップを被るように指示されます。手術着は不織布のような素材で、肩の部分はマジックテープになっているので、外れないようにそっと着ます。手術着の下はすっぽんぽん。自分の服や靴は指定のビニール袋に入れてベッドの下へ。

ベッドに横になると点滴の準備。1回目はうまく入らず失敗。2回目は手首の外側の太めの血管で成功。

点滴をしている最中に看護師Bと麻酔医が登場。手術をするドクターも様子を伺いに来てくれました。

そして、看護師Bが私の両脚に、血圧測定するときに腕に巻くようなものを装着。手術中に血栓などができないように圧力を加えて脚をマッサージ(?)するものらしいです。

麻酔医によると、今回は短時間の簡単な手術だから一番軽い麻酔を使用するとのこと。これまでに麻酔による体調不良などがあったかどうか、その他のアレルギーのことなどを聞かれました。私の患者ファイルが薄い=健康体なので、特に心配することはないということでした。

それでも私が緊張しているように見えたのか、そろそろ手術の時間という段階で、看護師AとBが「ご主人にちょっと来てもらいましょうね。そのほうが安心するわよね」と言って、夫を呼んできてくれました。

夫と少し言葉を交わした後、イブプロフェン(鎮痛剤)を飲み、いよいよ手術室へ。私はベッドに寝たままで、看護師Bがベッドを押して手術室へ移動してくれました。日本在住の方のブログを読むと、点滴しながら歩いて手術室に移動したと書いてありましたが、私の場合は手術室も近かったのでベッド丸ごと大移動だったのかも。女性の看護師さんが一人でガーっと押してましたよ。看護師さんも体力勝負ですよね。

手術室にて

operation room※写真はイメージです。

手術室に着くと、2人の看護師さんが待機していました。手術台にベッドを横付けし、体を手術台に移動。心電図用の吸盤みたいなのを数か所取り付けられ、着々と準備が進みます。

そして、手術をしてくれるドクターと麻酔医も登場。

麻酔医が「リラックスするからね~」と言いながら、点滴に麻酔を注入(見てないけどたぶん)。

そして、看護師が「Time Out」と言って、私の名前と生年月日を読み上げはじめたと思ったらすごい眠気が…。

そこからは記憶がなく、「Wake up!」という声で目覚めると、最初にいた大部屋でした。

麻酔ってすごい。

 補足
タイムアウト(Time Out)とは、手術の際、主治医(執刀医)、麻酔医、看護師がいっせいに手を止めて、患者氏名・左右を含む部位・左右を含む術式などを確認すること。アルメディアWEBより

手術後~チェックアウト

とりあえず目は覚めたものの、少しの間ぼーっとしてましたね。でも、あれだけ深い眠りに入っていたのに、声をかけられてパッと目が覚めるんだから不思議です。

看護師さんに具合の悪いところや痛みがないかどうか聞かれたり、定期的に心電図や脈拍などのチェックをされたり、ちょっとした世間話をしたりしながら、1時間近くはベッドに寝ていたでしょうか。

若干、胸のあたりが苦しいような気がしましたが、他に気になるところもなく、意識がかなりしっかりしてきたところで退院ということに。

夫が呼ばれている間に私はお着替え。看護師さんが手術着の肩のマジックテープをベリッと剥がしてくれて、あ~なるほどこのためのマジックテープかと納得。ちょっと恥ずかしかったですが、下着もはかせてくれました。新しい下着はいといてよかったわ。

そして、車いすに移動して夫の元へ。

何時までは鎮痛剤を飲んではダメとか、術後48時間はスパイシーな食べ物を避けるとか、帰宅後の注意事項の説明を受けて終了。車いすのまま車まで連れて行ってくれました。

leep homecare

手術後はとにかくお腹が空いていたので(前日の夜から20時間くらい何も食べてない)、途中バーガーショップに寄ってベジバーガーを食べました。ドクターには気分が悪くなければ何を食べても大丈夫と言われていたのですが、まあ元気でしたね(笑)

術後の経過

退院して家に帰る途中に少し下腹部がチクチクしたのですが、痛みはそれだけで、その後は鎮痛剤のお世話にもならずにすみました。

出血も鮮血が出るようなことはなく、ピンク色のオリモノが続いていたのですが、3日後くらいから炭のような黒いものが混じり始め、4日後くらいから「あれ?なんか臭う?」と。

そのうち収まるかな~と思っていたのですが、オリモノもかなり増え、臭いも強くなるばかり。たまりかねて術後10日くらいにドクターにアポイントを入れました。

黒い炭のようなものは出血を抑えるための薬だったらしいです。細菌感染しているようにも見えなかったらしいのですが、念のため抗生物質を出してもらったら、飲み始めてすぐに臭いはなくなり、オリモノも少しずつ落ち着いてきました。やっぱり細菌が繁殖してたんでしょうかね~。

そして、術後2週間ちょっとで月経が始まり、終わったころにはピンク色のオリモノも出なくなり、すっかり良くなった感じです(このブログを書いているタイミング)。

術後1ヶ月くらいは夜の生活を控えるようにと言われていたのですが、先日、採取した組織の検査結果を聞きに行ったときにドクターからOKが出て、夫がすごく喜んでました(笑)

検査結果

採取した組織の検査結果が気になっていたのですが、結果は中等度異形成(CIN2)で問題なしということでほっとしました。

半年後に再度、子宮頸がん検診を受けるのですが、そのときにはHPVもなくなってきれいな状態になっているでしょうとのことでした。

料金

そうそう、肝心の料金ですが、チェックインのときに577ドルお支払いしました(クレジットカード払い)。

私の場合は、会社の保険適用で個人負担は10%だったので、総額は5,770ドルということか。日帰りの簡単な手術にしてはやっぱり高いような…。

そして、びっくりしたのは麻酔費用は別!後日、麻酔医から請求があるからと言われました。どれくらいかかるのか聞いたら「わからない」という回答。う~ん、麻酔費用のほうが高いなんてことはないよね~。

もともと設備のある病院で手術を受けていたら、別々に請求されるということはなかったのかしら?アメリカの医療システムは日本と全然違うので、そのあたりの事情は謎です。

おわりに

半年後の再検査で本当にHPVがなくなっていることを確認できた時点がとりあえずのゴールだと思うので、まだ100%安心というわけではないですが、これからは毎年の細胞診を不安に思いながら迎えることもなくなると思うと、手術を受けてよかったです。

一応全身麻酔なので不安はありましたけど、手術自体は話に聞いていた通り簡単なもので日常生活に支障もありませんでした。私の場合は、軽い出血とオリモノが3週間ほど続いたので、その間はオリモノシートやナプキンが手放せなかったですが、不便なのはそのくらいでした。

同じような状況にいらっしゃる方や、これから手術を受けられる方のご参考にしていただければ幸いです。

半年後の検査結果については、またご報告させていただきますね。

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